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 記事の件名: 化粧化する世界
投稿記事Posted: 2016年2月11日(木) 15:23 
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管理人

登録日時: 2014年7月25日(金) 11:06
記事: 72
若い女性を中心に、「撮ってシェア」熱が収まる気配がない。
たとえばある温泉街。数名の男女が歩いている。そのうちの一人の女性が、外湯の前を通るたびに、入口の写真を撮っている。その場にいればわかるが、これは外湯の利用者にとっては迷惑な話である(ガラッと戸を開けたところで素っ裸な場合もある)。しかしどうも、そんな利用者の気持ちをまったく意に介することなく、嬉々として写真を撮っている。
こうした若い女性の行いは、当然、温泉街に限らない。渋谷では、もうずいぶんと前から、あちこちで目にする光景だ。店の写真、道端の猫の写真、あるいは保育所の庭で子供たちが遊んでいる姿を外から撮っていた女性は、気がついた職員に声をかけられて逃げた。そばにいた僕も追ったが、角を曲がったところで見失った。というように、彼女たちの蛮行にはなかなかブレーキがかからない。

何故なのか考えてみた。

彼女たちにとっては、それらは単に被写体ではなく、手元のコレクションを「シェア」と称して他人に示すことで、わたしはこんな女なのよ、という説明をする道具になる。「わたし」を飾るための素材である。つまり、「わたし」がたまたま通りかかっただけの世界の風景が、「わたし」を着飾るためのアクセサリーとなるわけだ。

そうして、世界は、彼女たちのエゴによって、使い捨てされていく。
世界中のリアルは、リアルとして存在するよりも、彼女たちの「化粧品」として、汚されていく。

なお、撮影という行為は、基本的に「上から目線」であり、被写体をある種「征服」する行為です。だから撮るのは快感だし、撮られるのは時に不快です。

引用:
視線にも重力の法則があって、水と同じように上から下へと流れる。

http://frat.jp/mt/2004/10/post_32.html

彼女たちの行為は基本的にダサいと思うし、その無神経さには呆れるしかない。
(かつて、先駆者として撮りまくり、アップしまくっていた自分が言えたものではないが)


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投稿記事Posted: 2016年2月14日(日) 09:38 
オフライン
管理人

登録日時: 2014年7月25日(金) 11:06
記事: 72
おそらく今後「均一化」が進む世界において、あらゆる事象は「世界が絶賛」とかあるいは「世界中で○万回再生」とかの指標ではかる、最大公約数的な「価値あるもの」と、そうでないものとに二分化されていくのだろう。

そして、世界の「実相」なんてものはどうでもよくなり、各自に都合よく演出され彩られた、リアルと称された虚構の仕上がり具合に、ひたすらしのぎを削っていくことになるのだろう。

ご都合主義の行き着く先は、何だろうか。それが世界平和でないことだけは、確かな気がするが。


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