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 記事の件名: 田舎は死んだ
投稿記事Posted: 2016年6月27日(月) 17:47 
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管理人

登録日時: 2014年7月25日(金) 11:06
記事: 72
引用:
30年ほど前、当時の国鉄が大々的に展開した「ディスカバージャパン」のキャンペーンである。田舎の古い町並みの一画でバアさんが何か仕事をしていて、それを若い女性の観光客が眺めていて両者の間には親しげなムードが漂っている、という写真のポスターが全国の駅という駅に貼られた。
それを見て、「ああ、田舎は死んだ」と思った。かつて田舎には、田舎でなくともちょっと前の京都でも、共同体がしっかり生きている地域には、他所者を排除する視線というバリアーがあって、ディスカバージャパンのポスターのようなことはありえなかったからだ。光景を逆にしたら事態はよくわかる。田舎のジイさんバアさんが、東京のオシャレなオフィスで働く女性の様子を、机の脇に立って興味深そうにジロジロ見てる、なんてことが許されるかどうか。視線にも重力の法則があって、水と同じように上から下へと流れる。下から上への逆流は難しいのである。(『別冊太陽 日本の町並み ? 関東◎甲信越◎東北・北海道』p53、藤森照信)

入手の容易な本ではないので、ちょっと長いがコラムの一節をまるまる引用させていただいた。いろいろと考えさせられる文章。こういう深みのある文章に、webではなかなかお目にかかれないのも残念。
ぼくらは共同体(ムラという地域社会)を崩壊させることでいまの暮らしを手に入れた。自由で、便利で、いびつで、不安な暮らし。とはいえ、共同体がしっかり生きている地域(つまり田舎)も、まだまだけっこうあると思うんだけどね。観光地でもなんでもない、そのへんの田舎とか。あるいは愛知県とか。
視線の法則というのは、たしかにそうかもしれないと思った。とすると、撮影するというのは常にエラソーな行為といえるわけで…。
初出:2004年10月07日
http://frat.jp/mt/2004/10/post_32.html


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