第二次大戦後の20世紀は、「商品」の時代だった。
この時期はテクノロジーとマスメディアが急激な発達を遂げ、 それによって人々の生活は大きく変わった。テクノロジーの発達によって新しい商品が次々と開発され、 それはマスメディアによって人々に伝えられた。
この時期の人々は、商品を購入する存在、つまり「消費者」として規定された。
高度なテクノロジーは、真に人々を幸福にすることよりも、消費者たる人々の欲望を刺激し、新商品の売り上げを伸ばすことにもっぱら使われた。したがって、公害、廃棄物処理、環境ホルモンなどさまざまな問題をも生みだした。
またこの時期は、科学という名の迷信に人々が右往左往した時代でもあった。商品の宣伝において科学的根拠は効果的であって、人々は商品の宣伝文句やマスメディアの伝える「科学的に立証されている」「最先端の科学が生みだした」などの文句を容易に信じた。
マスメディアは商品の宣伝に絶大な効果を発揮した。たくさんの人に一度に商品の情報を伝えることができたし、人々はマスメディアの情報を無条件に信じたからである。そのためマスメディアに多額な宣伝費がつぎ込まれることになり、マスメディアはますます巨大化した。
…今世紀が21世紀、いかに評価されるか。それを想像してみた。 |