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タフでなければ

いまの子どもたちの未来について。(初版日:2003年12月08日)

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いまの20代30代が、フリーターだの引きこもりだのパラサイトシングルだのとやってられるのは、親に金があるからだ。親に金があるのは、高度経済成長の遺産のおかげだ。高度経済成長とは、働き盛りの若者に、「年とったらがっぽりと金をくれてやるから」といって、ほとんどタダ同然でがむしゃらに働かせたことで実現できたことだ。おかげで日本は短期間で豊かな国になったが、そのツケがいまになってどっときている。当時の若者がおっさんになり、がっぽり給料を払わなければならなくなっている。生産性の低い人間に(以前調べたところではもっとも生産性の高いのは30代前半)多額の給料を払わなければならない不条理にたいして会社が行ったのがリストラだが、会社がリストラをすることで、昔の約束(終身雇用・年功序列)がその場かぎりの口から出まかせだったことが判明、おっさん世代に無力感が漂っている。とはいえ、リストラされるおっさんたちはごく一部で、多くのおっさんたちは、約束通りにがっぽりと給料をもらっている。彼らが会社に居座っているおかげで、彼らの子ども世代は職にあぶれている。あぶれた子どもたちは、たいして働きもしないわりに多額の給料をうけとっている親のすねを、かじり続けている。

が、その次の世代はどうなのか。つまり、親のすねをかじって生きている20代30代が産み育てている子どもたちだ。彼らの親にはすねをかじれるほどの経済的な余裕は、もともとない。がんじがらめの現代社会のなか、戦後の焼け野原に放り出された子どもたちのように、自分の力で一からやっていかなければならない。高度経済成長時代の若者のような、バラ色の未来の約束もない。ゼロ成長のなかで、自分の居場所を定め、将来にわたって生きていかなければならない。

これからの子どもたちは、タフでないと生きていけない。見本にすらならない、すねっかじりの親が「こどもの将来のために」という美辞麗句のもとに用意する選択肢などぜんぶ無視して、ひとりで世界と渡り合っていかなければ、生き残っていけないのではないか。