ホントのところ、どうなんだ?ぼくの興味は、この1点に尽きるように思われます。
高校生のとき、こう思っていました。たとえば「この潜水艦の長さは何メートルです」とニュースが言う。でもニュースがホントのことを言ってるかどうかは、わからない。潜水艦の長さは、自分で計ってみないとわからない」もともとはアンチ・マスコミなんです。それがどういう因果か、マスコミで仕事するようになって…。
ぼくはプロのリサーチャーです。事実を追求する仕事です。いつも、「ホントのところ、どうなんだ?」と考える、疑り深い性格に、この仕事は合っています。同時に、マスコミが情報をいかに手に入れ、いかに加工し、いかに伝えているかも知りました。ぼくはだから、マスコミの情報はあまり信用しません。自分が見たもの、感じたものを信じます。
取材テーマのひとつである海水浴場にしても、「ガイドブック見てもそこの浜がホントのところ、どんな浜かさっぱりわかんない」という疑問と不満から出発していますし、そこでぼくがカメラにおさめる映像は、そのまんまの浜の姿です。
道楽でもあるモータービークルにしても、「クルマ=ブラックボックス」を嫌い、自分のクルマの不具合の原因を、「ホントのところ、どうなんだ?」と自分自身で究明していったことが発端です。
そして、ぼくはひとりの取材者として、現場に立ちます。「ホントのところ、どうなんだ?」という目線で取材します。それが、取材者としての唯一の拠り所なのかもしれません。 |