テレビ放送では、番組を1本にまとめなければ放送できないからパッケージにしているわけですが、ウェブでそれを模倣する必然性はありません。番組市場では、番組をビデオパッケージではなく、映像、静止画、音声、テキストなどの素材を構成したもの(マルチメディア・コンプレックス)と捉えます。撮影した素材を編集し、効果やテロップ、BGMやナレーションを加えて高いクオリティのパッケージを完成させるのはたいへん時間と労力のかかる困難な作業ですが、「番組=パッケージ」から、「番組=素材の構成」と考え方を転換させたのが番組市場です。これによって、パッケージ化に要する労力を省けるばかりでなく、よりウェブでの視聴に適した形になります。カットごとに動画を配置すれば、見たいカットをすぐに何度でも見られますし、解説はテキストのほうがわかりやすいものです。既存のテレビ番組やビデオパッケージをウェブで公開する場合にも、こうして要素ごとに再構成する方法が有効でしょう。
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