小説とか、すでに存在意義を失っている気がする。内面を描く、人間の本性に迫る、それで何がわかるのって思う。ドキュメンタリーもそう。どんなにがんばっても、限界。映像は真実を映し出しているのか。真実に迫れているのか。
…と思ったりしてしまうわけです。
小説もドキュメンタリーも、やり方は違うが目指してるものは同じ。「ほんと」に迫るってこと。「ほんと」に迫り続けた結果、どうだったのか。相変わらず「心の闇」という常套句で片付けられる。あるいは、これまでの小説やドキュメンタリーが積み上げてきた「人間とはこうだ」「社会とはこうだ」というイメージが勝手に一人歩きしてしまい、ほんとのとこはともかく、ぼくらはその作られたイメージに依存して、人間とか社会とかを理解していないか。わかったつもりになってないだろうか。
だとしたら、「ほんと」に迫る努力は報われているどころか、「ほんと」から僕らを遠ざけていないか。
何をどう描いたらいいのか。ぼくは何をしたらいいのか。小説でもドキュメンタリーでも描けなかったものが、目の前に横たわっている気がするのだが…。