北海道新聞の方が書いている「ニュースの現場で考えること」というブログの、「駆け出し時代のことなど」という記事からの引用。駆け出し時代にデスクから教わったこととして、
「とにかく街を歩け。外に出ろ。記者クラブにこもるな」と言われた。「同僚記者と飲んで楽しいか? どうせ飲むなら街の人、ふつうの人と飲んだ方が何倍も楽しいだろ」「群れるな。記者が群れているのは見苦しいぞ」「小樽みたいな小さな街だと、1日3人は新しい人に会え。それも、会って名刺を出したとき、名刺を返さないような人(名刺を持っていないような人という意味)に会え」。そんなことを繰り返し言われた。沁みた。引用続く。
私は、人に会って話を聞き、それを伝えるという仕事自体は、昔も今も本当に楽しい、と思っている。外に出て行けば行くほど、その楽しさは倍増していく。もちろん、報道機関には変えないといけない部分はたくさんあるし、私もそう主張し続けている。しかし、その動力になっているのは「記者の仕事は面白いよ」である。同感です。取材は面白い。
ぼくは新聞記者ではない。おもにテレビの世界で、「リサーチャー」という肩書きで、テレビカメラを伴わない、いわゆる「情報取材」に、もっぱら携わってきた。知らないところに行き、知らないひとに会い、知らなかったことを教えてもらうことがほんとに面白くて、この稼業を続けてきたようなものだ。思い返すと、苦しかったことや怖かったことや、いろいろあるけど。
ところが最近、なかなか仕事で現場に行かせてもらえなくなった。パソコンの前に張りつくことが多くなった。 欲求がたまる。プライベートで現場に立っても、足元がしっかりしない。立体メガネをかけてるみたいな感じで。
でも、取材はぼくのコア。だからこそ、「取材屋.com」なんてベタなドメインでやっている。発信者責任をまっとうしながら、ずっと現場に立っていたいと思っています。