[ゼロからのリスタート]で書いたように、今回のW杯は小野にとって残念な結果に終わった。
その後、いくつかの記事を読んでいると、中田が代表チームに、主にメンタル面でマッチしていなかったらしいことが見えてくる。
68年のメキシコ五輪で日本を銅メダルに導いたデットマール・クラマーさん(81)が大会直前、「問題なのは選手の半分が中田の考えを好きではないこと。チーム内で中田がどう振る舞い、仲間が中田をどう扱うかがカギだ」と話し、示していた懸念。それは、中田選手のそんな振る舞いに、現実となって表れていた。
チームとしてどういう戦い方をするのか、最終的にチームがひとつになって協調性を持って戦うところが見えなかった。
中田英も来年で30歳。今大会も、日本の報道陣にコメントすることは極力避け、1人で居残り練習をするなど、チームプレーを重んじる代表チームの中では完全に浮いていた。
他の選手とはどこか温度差があった。激しい口調で仲間と論争する姿に、一時は「不要論」も持ち上がり「自分が今の日本代表に本当に障害となるのならば、辞退してもいいとさえ思う」(公式サイト)と思い詰めたこともある。
やはり、中田では世界で勝てないということだろう。また、ジーコが小野を使わないのが不思議でしかたなかったのだが、ともに3大会連続出場(だよね?)の中田と小野との間で確執があったのかもしれないとも思う。
チーム内の不協和音が原因で負けた、あるいは、それがもとであんな情けない試合をしたのだとすれば、その責任のかなりの部分を、中田に負ってもらってもいいだろう。同じくチームプレイの苦手なボクはそう思う。
今回の悔しさをバネにして、小野にはもう一度、奮起してほしい。ぜひとも、“抜群”を目指してほしい。フランスのジダン、イングランドのベッカム、そしてブラジルのジョルジーニョのように、監督や戦術如何にかかわらず、必ず先発に名を連ねるような、飛び抜けた存在になってほしい。
もちろん若手の台頭が必要だけど、それを束ねる存在も必須。性格もプレースタイルも、小野が最適だと思う。小野はぜひとも“野人”改め“偉人”岡野を精神的師匠として、日本代表で不動の存在を築いてほしい。
コンテンツとしてみると、中田は作品型、小野はネットワーク型。まったく対照的な2人だけど、ネットワーク型コンテンツを推し進めたいボクは誰がなんと言っても小野派です。負けるな小野!