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テレビのある光景。

テレビの番組制作に従事しながらも、テレビについて思うこと。

これまで印象に残っている、テレビを見る光景。

1.山奥の定食屋。がらんした店内で、テレビの音声だけが流れている。国会中継だった。どっかの老人(じいさん)が、テレビに食ってかかっていた。政治に言いたいことがあるらしかった。
2.自治会の打ち合わせで行った、近所の老夫婦の家。狭く雑多な家の中に、テレビだけがどっかりと存在感を示していた。ふだんこの老夫婦はこの空間でこたつでお茶を飲みながら、ひたすらテレビの画面だけを見ているようだった。
3.ぼくの生まれ育った実家。大画面液晶テレビに大音量で流れる音声。深夜、マッサージチェアでうとうとしながらもテレビを見続ける父。

…と、どうしようもない場面ばかりが思い出される。年寄りが、薄い日常を生きながら、テレビが垂れ流すエモーションにかろうじて下支えされている、ちっとも生産的でない、ただ消費しつづける光景。

こんな世界で評価されたって、何がうれしいものか。

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