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被災地のテレビカメラ

新潟中越地震だが、テレビカメラの目線が気になる。
さっきNHKで、入浴施設無料開放といった内容で、被災者と思われる方々が浴槽につかっていたり、インタビューに答えていたりする映像をみた。
ぼくだったら、風呂の中までテレビカメラに入ってきてほしくない。
現場で取材クルーから被災者の方々に対し、「被災者の様子は全国的な関心事となっていて…云々」という説明があったかどうかわからないが。
しかし、中には、テレビカメラに写りたいくない人だっているだろう。

地震がなければ、カメラを向けられることはなかったであろうふつーの人々が、被災によって、逐一その動向をメディアに伝えられるようになる。
ちょっとしんどいなーって思う。
ぼくが被災者だったら、救援物資は欲しいが、同情はしてもらいたくない。クルマで寝泊りしてたり、外でコタツに入ってたり、体育館の床に横たわっていたり、配られたパンを食って感謝の言葉を口にしたり、そういうのをテレビカメラで撮られて、かわいそーとか思われたくはない。
あのー、クルマの中で寝泊りするのって、そんなにかわいそーですか。そりゃ、足は伸ばせないし寝返りも不自由だし、楽ではないですよ、とくに慣れない高齢の方は大変だと思います。でも、慣れればそこそこいけますよ、車中生活も。いえ、これは被災者の方に言っているのではありません、取材側の目線がなんか気になるのです。
無神経さを感じるのは、ぼくだけ?

災害報道は何のためにあるのか。
まず被災者のため。安否情報、救援の現状。被災者の役に立つ実用的な情報を、なるべく早く的確に伝える。(地震の第一報、ちょっと遅くなかっただろうか?)
被災者救援のためには、被害の実態や被災者の現状を、やはり、なるべく早く正確に伝えることも必要だろう。でも、一歩間違えると、「より衝撃的orよりかわいそう→よりレート(視聴率)が稼げる」と、取材側の都合が先に立ちかねない。
現場で取材にあたる方は、少なくとも、無神経な態度で被災者に接して欲しくはない。

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テレビ界では、新潟の地震の被害状況をどしどし報道しているのだと思うのですが、ほとんど見ない。 こんなに被災地では大変なんです、ってレポーターが言っているわけです... [詳しくはこちら]

コメント (2)

し:

車に寝泊まりするのは、望んでそうする場合と、やむを得ずそうする場合とでは違うと思いますよ。私も昔車で寝た時は惨めな気持ちでしたから。そんな時にカメラに撮られたく無いですよね。

やむを得ず車中生活を余儀なくされる被災者の姿を「かわいそう」という視点で切り取る取材姿勢(というとおおげさですが)が気になる。ぼくなら胸を張って車中泊します。みじめに撮られたくはない。車の中でもなんとか工夫して、狭いけれども楽しいわが家でやってきます。家族をもつ立場では、どんな環境であろうと、笑顔を絶やさず前向きに、家族全員で力を合わせて生きてくでしょう。そしてもし、車中泊でわいわい楽しくやってる家族がいたら、テレビカメラは撮らないでしょう。かわいそうなのが欲しいから。

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