大学生だった1984年から1988年の頃は、学生ビジネスがさかんだった。
ぼく自身が直接かかわることはなかったけれども、あちこちの大学のプロ研、広研系の連中とつきあいがあったから、当時の事情はだいたい知っている。右から左に話を転がすだけで丸儲け?やめられまへんなギャーッハッハという、いま思い出してもヘドが出るようなことが、いろいろとあった。キャンパスバンケットというのにも行った。学生がホテルの大宴会間を借り切って、動員何百人か知らないが、盛大な名刺交換会であった。
あれはいったい何だったのだろうかと、大学を卒業してからも、ときどき思い出す。ぼくは、学内の弱小サークルを踏み台にするような格好で、学外の連中と知り合っていった。当時はまだインカレという言葉はなかったが、たぶん、その第一世代のようなものだったのだろう。通っていた大学は学生数も少なく、ウマの会う友達が少なかったこともあって、ぼくはほとんど学外の連中とばかり過ごしていた。あちこちに出かけて行っては騒いでいた。場の盛り上げ役みたいな感じで、いろんなところに呼ばれては顔を出し、また、呼ばれもしないのに顔を突っ込んでいった。たぶん、いろんな奴と知り合う刺激が、面白かったんだろうと思う。
何百人がイベントに集まった、参加したと、動員数を誇りたくなる気持ちは理解できなくはないが、いま思い返してみるとアホらしい(いや、ぼく自身に動員力はなかったのだが)。そういうことに夢中になるのはぼくら世代で終わったと思ってたが、どうもそうではないようだ。やっている内容はずいぶんと違うのだが、志向性という意味では似ている。これは若者特有の欲望ということになるのかもしれないが、しかし、マス自慢ってなんだか、大量生産大量消費の20世紀的な価値観って気もする。
ま、多数派をとれない、一生少数派の愚痴かもしれないけど。