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マイナー主義

世間の耳目を集める事件事故に対して、ぼくは基本的に興味がない。大事故で多くの方が亡くなるのは確かに悲惨だが、一方で、日々の交通事故で1人の方が亡くなるのも、やはり悲惨だと思う。ここ数年は減少傾向にあるとはいえ、毎年1万人近い方が交通事故で命を落としている。神は細部に宿るともいうけど、ささいに思えることの中にも、見落としてはいけないものが、きっとあるはず。

ぼくはマスコミ人、テレビ屋でありながら、事件事故や記者発表のように、マスコミ各社が詰めかける現場に取材に行ったことがほとんどない。世間の耳目を集めないところにこそ、掘り起こすべきネタが眠っている。調査報道と言われるタイプの番組制作でリサーチという情報取材にたずさわってきたぼくは、そう思っている。

かといって、何でも掘ればいいってものではない。うちがコーヒー豆を買っている店がある。そこのコーヒー豆は抜群においしいのだが、おやじさんが偏屈者のマスコミ嫌いなので、その店に関する情報はwebに載せていない。ところが最近、その店のことがブログに書かれるようになり、おやじさんは困ってるというより、腹を立ててるらしい。そのおやじさんにはいろいろと教えてもらって、今ではこのように、手挽き布ドリップで入れている。
IMGP6230.jpg

そこのコーヒー豆はほんとにうまい。10年ほど前、クルマであたりをうろうろしていて、たまたま見つけたお店。ふらっと歩いて、あるいは、ふらっとドライブして、いい場所、いい店、いい味、いい物、いい人に出会うというのは、楽しい。そうやって、マイナーだけれども光るものを、探していきたいと思う。

追記:
2005年02月28日に某所に以下を書いた。似たようなことなのでこちらにまとめとく。

場末感
ネット界では、おおぜいのひとが銀座か新宿の一等地をめざして激しくシノギを削るという、既存メディアに似た構造がみられるような気がするんだけど、それとは対局的な、場末に行きたいなあと最近おもう。ま、わざわざ志向しなくても、すでに場末なわけですが。

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