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現場に…

ここのところ、仕事の合間に、サイトのフルリニューアルをしている。長年の蓄積によって、個人運営にしてはかなりでかいサイトになってしまい、静的htmlファイルだけで300個以上あるらしく、リニューアル作業は時間と手間がかかる。

そんなわけで、自宅の一角にある事務所にこもる毎日が続いている。早く現場に出たいなあ?と、つくづく思う。現場というのはぼくの場合、取材の現場。人に会って話を聞いたり、現場を見て回ったりすること。仕事柄、デスクトップ作業も多いのだけど、やってて面白いのはやはり現場だ。現場に行くと新しい発見があったり、思わぬ事態に遭遇したりして、飽きることがない。いろんな場所があって、いろんなひとがいろんな暮らしをしているのだという、考えてみれば当たり前の多様性を、現場では肌で感じることができる。だから現場が好きだ。これからもずっと、現場に出ていたい。

一方で考えるのだけど、ブログの普及などにともない、情報発信をする人が今後は圧倒的に増える。これまでは職業だったけど、たぶん、ボランティアというか、一般の人の比率のが高くなる。情報量が圧倒的に増える。どこに自分が求めている情報があるのか、これまでより発見の可能性が高くなる一方で、発見にかける時間と手間がかかるようになる。それを補うように、雑誌の編集者的な立場の人が出てきて、こんな情報を探しているならここで見つかる、と、各自がポータルサイト的な役割を担うようになるだろう。各自は、いろんなブログやら見てまわり、イケてるネタを拾ってきて、それを自サイトで再構成し、リンクを張る。それは、最初はボランティアベースだろうけど、おそらく、ある程度メジャーなテーマに関しては、職業化する部分が出てくるだろう。そうやって、情報発信の裾野が広がり、プロとアマの境目が曖昧になり、似たようなことをしてるけどこっちはプロこっちはアマ、みたいなことになっていくだろう。

では現場はどうか。一次情報の発信源である、一ブログ、一サイトの運営者に、職業化の道は開かれているのだろうか。少なくとも、ちょっとしたネタを書く範囲内においては、プロとアマに、アウトプットの差はない。ほとんどない、というより、まったくないといったほうがいいだろう。それよりも、個人の差が大きい。プロでも全然つまらない文章を書く人がいる一方、アマでもおもしろい文章を書く人がいる。目のつけ方(企画)、ネタの仕込み方(取材)、演出の仕方(構成)、すべてにおいて。だから、プロの立場からすると、ものすごい数のライバル出現。しかも、一次情報の取材には、時間と手間がかかる。効率化はあまり望めない。コストパフォーマンスにおいては、かなり分が悪い。さらに、アマチュアは日本全国にいて、各自が手ごろなネタで勝負できるので、現場にわざわざ行く必要があるプロには、さらにハンディがある。普通に考えると、プロの現場取材者というのは、成立しがたい。

しかし、醍醐味は現場にこそある。それは、「プロ」の誰もが知っているはず。なんとか、現場で勝負したいと、強く思う。

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