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少子化を促進する新聞記事

[少子化時代の馬鹿者とは]で書いたばかりの少子化ネタ。

朝日新聞2006年2月26日生活面「3人目どうします? 産みたい理由、産まない事情」。中見出しには「父親協力・保育園…環境が後押し」とある。
3人目を産んだ事例1:「近くの保育園には待機児がおらず、出産後も安心して支援を受けられる環境も後押しした」「3人目を産むと決めて、2台あった車は1台にした」
3人目を産んだ事例2:「朝、保育園に子どもたちを送るのは…夫の邦彦さん」「3人と添い寝して寝顔を見ていると「幸せだなあ」と思う」
3人目を産んだ事例3:「近くに住む67歳の実母が保育園の送迎などを手伝ってくれる」
3人目を産んでない事例:「「転勤族なので周囲に子育てを助けてくれる人がいない。正直、2人が限界」と話す」
東洋大学経済学部・白石真澄助教授のコメント「子ども1人の家庭が2人目を持つには、父親の子育て参加など働き方の見直しがカギになる。だが、3人目への壁は経済的な問題の場合が多い」
以後、自治体や企業の経済支援の事例紹介。

…といった内容の記事。ようは、少子化の原因は環境(産まない事情)にあるという。この記事を書いた2人の女性記者の趣旨は、「保育園の充実、家族や地域の協力、経済支援といった環境整備によって少子化問題は解決できる」というようなものだろう。

が、こうも解釈できる。

環境が悪いのであって私は悪くない、という、言い訳。

私は悪くないのよあくまで環境が悪いのよ、という主張は、環境が良くならない限り私は産みませんという、居直り宣言にもつながり、「そうよ私は悪くないのよあくまで環境が悪いのよ!」の合唱の先にあるのは、少子化促進。

結果、この記事は少子化に根拠を与え、少子化を促進することになりかねない。…というか、そういう趣旨なんだっけ?

こないだラジオで、たしかたまちゃんだと思ったけど、「子育ての楽し?い話を聞かせてね?、私たちの夢を奪わないでね?」みたいなトークがあった。ぼくはそっちにうなずく。友人知人には子どものいない夫婦は多いけど、彼らの置かれた環境が、出産や子育てに不適とは、必ずしも思えない。彼らの価値観が、子どもを産ませないのだと思う。

記事中にも若干書いてあるけど、子どもは面白いし子育ては楽しい(出産は知らない、産んでないから)。少子化対策を探るのであれば、むしろ、そのあたりを掘っていくほうが本質的だとおもう。

PS.
記事中、両親と3人の子が納まった写真には「にぎやかな笑い声が響く」とキャプションがあるけど、実際には、「母の罵声と子の泣き声が響く」だろう。そういう所帯じみた暮らしがイヤだから子どもを産まない人って多いと思うけど、一方ぼくは絵に描いた餅、イメージ消費生活が嫌い。

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