FOMAは下りこそ384kですが、上りはわずか64kと、PHSと変わりません。唯一、384kで送信可能なF2611という端末がありましたが、需要がないみたいでもう売ってません。なので、「じゃPHSのがいいじゃん」と思ってました。
しかし、64kのPHSでありながら、安定して送出可能な帯域は、実効ビットレート20kとかなり低くなっています。1基地局=32kが送出可能な上限ではないかと勝手に推測しています。(訂正、DDIポケットの基地局も今では1基地局=64kだそうです。くわしくはこちら)
そこで急浮上したのがFOMA。FOMAは、1基地局=64kです。同じ64kでも、PHSの倍のレートで送れるかもしれないという可能性が出てきました。そこで、テスト用に端末を提供していただける方の協力を得て、2003/06/08に埼玉県桶川駅周辺にて、FOMAを使ったライブ中継テストを行いました。
テストの目的は2つ。安定して送出可能なレートを探ることと、歩き回っても安定して送出可能かどうかを確認することでした。テスト直後、現場掲示板に結果報告を書きましたが、以下にも掲載します。
10時から喫茶店でFOMAの通信カードP2401をPCに挿して、もろもろ設定をしました。パケット方式と64kデータ通信の2つの接続方法があるのですが、理論上はつながりやすい64k(上りスピードテストで62kまで出た)より、何故かパケット方式(上り59kだったかな?)のほうが安定して送出できることが判明。エンコードのプロファイルでは、最初は50/56k(メディアビットレート/総ビットレート)でやってたんですが不安定だったので、45/50kに落としたら安定して送れるようになりました。音声はステレオ、画像サイズは320*240と大きくしました。そこそこ見られるレベルだったと思います。
そこまではエコストックの収録映像を再生する形で喫茶店内で行いました。そして、接続をキープしたまま、カメラに切り替えたとたん、何故かExpoTVのほう(配信サーバー1)がつながらなくなり、何度か再接続を試みましたが、結局、自宅サーバー(配信サーバー2)で受信できました。カメラを回したまま、屋外をしばらく歩き回りました、すぐ近くの公園で「福祉フェア」だったかな、イベントをやってましたので、そこを歩きました。しかし、喫茶店を出た時点ですでにバッテリー残量30%程度とわずかしかなく、しばらく歩いたところでアラートが鳴り始めたために中継を終了。生の映像送出は12時6分から、8分程度でした。
レートの設定に時間がかかってしまったこと、受信がうまくいかず再接続を繰り返したことなどから、皆さんに視聴していただけるレベルにはほど遠い状態だったのですが、テストとしてはまずまずだったと思います。
何より、同じ上り64kでありながら、PHSの倍のレートで送出できたこと、そのレートでの音声と映像がそこそこ視聴に耐えうるものだったことが確認できたことは収穫でした。
まだ基地局が少ない、ビルの谷間などで弱いなどのの問題点はあるものの、FOMAにはかなり心動かされました。
サンプル動画のページに、PHSとFOMAそれぞれのサンプル動画を掲載しました。いろいろプロファイルを試してみた結果、
[ FOMA ]
メディアビットレート45kbps、実効ビットレート50kbps、ビデオサイズ240×176、画像品質10。
[ PHS ]
メディアビットレート17kbps、実効ビットレート21kbps、ビデオサイズ160×120、画像品質0。
…あたりがベストかなと思いました。たしかにFOMAのがいい。あとは通信料金とのご相談かな〜。前向きに検討しよっと。
なお、NTTドコモではM-stage Vライブというライブ中継サービスをやっている。手続きがいろいろとめんどくさいようで、視聴には専用プレイヤーが必要で、なおかつ配信が有料。〜んん、携帯端末でライブが見られるのはいいだけどなあ。
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