« 2011年12月 | メイン | 2012年02月 »

2012年01月 アーカイブ

2012年01月11日

“中年”という高い壁

自分が中年になってみて感じていること。

たとえば学校の同窓会でかつての同級生と久しぶりに再会したとき、同い年なのにえらく老けてる奴はいないだろうか。
かつて(20〜30代)ギラギラの夢を語ったバリバリのビジネスマンが、数年経ったらひどく老け込んで見えることはないだろうか。

「現役感」の喪失。

たぶんそれは、「中年の壁」のせいだ。

以前調べたおぼろげな記憶では、人の生産性は30代前半が人生のピーク。これを越えると、それまで上り調子だった生産性が、ゆっくりと、しかし確実に、低下をたどっていく。
同時に創造性も落ちていくだろう。
体の無理が徐々にきかなくなる。

ここで、現状にぶら下がったまま、残りの人生をなんとかやり過ごそう、あとはだらだらと慣性で生きていこう、そう思ったらたぶんこうなる。

でも残念なことに、それはたぶん、できない相談だ。
これまではできたかもしれない。年金暮らしをしている親世代はそうだったかもしれない。でもそれはきっと、戦後高度経済成長という、世界史的にも稀有な、必然と偶然のハイブリッドな産物に、日本という国全体がぶら下がっていけたからできたこと、ではないかと思う。
これからは違う。一進一退、七転び八起き。2勝1敗1引き分けならよしとしようってな時代になる。ぶら下がってたら、つかまってるヒモが切れて谷底に転落してしまうかもしれない。

そう覚悟を決めて、中年以降を生きていこうと思う。

2012年01月17日

できるだけ、じっくり考えよう。

僕はあくせくと忙しく働くことが嫌いだ。

目の前のタスクを処理することに一生懸命になっていると、視界が狭まり、うつむき気味になっていって、しだいに自分が何をしているのか、どこに向かっているのか、わからなくなる。

向かう方向を誰かに指し示してもらって、というやり方もあるんだろうけど、僕は自分で考えて自分の責任で自分で決めたい。

それに、目の前のタスクを一生懸命処理しているモードだと、次から次にタスクが積みあがっていって、そのうち、身動きがとれなくなってしまうことがある。

距離を置いて、冷静に、優先度と緊急度でタスクを選別していけば、もっとすっきりするはずなんだ。

細かいことばかりを追っていると、大事なことを考えるのを後回しにしがちだし。大事なことは、考えて結論を出すのに時間がかかるわりには、目の前のタスク処理には関係がなかったりするから。でもそれを後回しにしていると、いずれ大変なことになる。

まるでいまの日本のように。

だから、僕はできるだけ、多忙とは距離を置いて、じっくりと考えたい。
(経済的には恵まれなくても)

以上、自戒を込めて。

2012年01月26日

ゼロリスクに関して思うこと。

原発事故で飛散した放射性物質による外部&内部被ばくについて、ゼロリスクを求める声が強くある。それは、以下のような考え方に基づいているのではないだろうか。

1.リスクは元々ゼロである。→ゼロか、ゼロじゃないかといったら、元々リスクはゼロじゃなかった。自然界にも放射性物質はあって僕らは生まれたときからずっとわずかに被ばくしている(室内ラドン濃度とかも含めて)し、かつての原爆実験とかの影響もある。閾値なしモデルであれば、人類がゼロリスクだったことはこれまで一度もない。

2.我々はゼロリスクの権利があるし、我々にゼロリスクを提供する義務が(政府や行政に?)ある。→そうかな。

なんか、「対岸の火事から火の粉がこっちに降ってきて迷惑だ、誰かなんとかしろ」と言っているように聞こえるんだ。

その根底には、「これは俺の仕事じゃなくてお前らの仕事だろ」という政府や行政に対する考え方がある。

まあ、そうなんだけど。

明治維新以来、日本は諸外国からの脅威に対抗するため、急ごしらえの中央集権国家をつくり、そのコントロールを官僚にゆだねた。官僚を実質的な頂点とするピラミッド構造ができた。ピラミッド構造の組織では、「認知判断操作」のうち、「認知判断」はトップがやればよく、下々は「操作」に専念すればよかった。こうして、「大事なことはお上にまかせて、俺たちはせっせと毎日働いてればいいんだ」という価値観が生まれ、戦後もそれは変わることなく継続されたというか高度経済成長という世界史に類を見ない成功神話がそれを裏づけた。

でも、もう終わったんだ。
あの原発事故は、この効率性を追い求めてきた日本型システムの終焉だ。
僕らは自ら「認知判断」をしなくてはいけなくなった。効率は落ちる。混乱もする。
でも、もう、何も考えなくていい、ただせっせと勤勉に過ごしてればいいという時代は来ない。

思考停止の縛りをほどいて、自分の頭で考えよう。

カテゴリー&最新記事

Powered by
Movable Type 3.33-ja

track feed