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2012年02月 アーカイブ

2012年02月11日

テレビのある光景。

テレビの番組制作に従事しながらも、テレビについて思うこと。

これまで印象に残っている、テレビを見る光景。

1.山奥の定食屋。がらんした店内で、テレビの音声だけが流れている。国会中継だった。どっかの老人(じいさん)が、テレビに食ってかかっていた。政治に言いたいことがあるらしかった。
2.自治会の打ち合わせで行った、近所の老夫婦の家。狭く雑多な家の中に、テレビだけがどっかりと存在感を示していた。ふだんこの老夫婦はこの空間でこたつでお茶を飲みながら、ひたすらテレビの画面だけを見ているようだった。
3.ぼくの生まれ育った実家。大画面液晶テレビに大音量で流れる音声。深夜、マッサージチェアでうとうとしながらもテレビを見続ける父。

…と、どうしようもない場面ばかりが思い出される。年寄りが、薄い日常を生きながら、テレビが垂れ流すエモーションにかろうじて下支えされている、ちっとも生産的でない、ただ消費しつづける光景。

こんな世界で評価されたって、何がうれしいものか。

どんどん安くなり、どんどん薄くなる。

こないだ朝日新聞で糸井重里がたしかこんなことを書いていた(言っていた?)。

人は、「つながり」にお金を払うのだと。

ぼくは行きつけのコーヒー豆屋がある。ちょっと遠いんだけど、豆が切れると必ずそこに買いに行く。老夫婦のやっている店だ。開業してもう20年になるし、ぼくが行き始めてからも10年以上になる。行って、いつもの豆を注文して、ついでにいろんな話をして。決して安くない支出だけど、ぼくがこれを節約することはない。それは、コーヒー豆を買いながらも、この関係にお金を払っているのだ。
(ま、他では買えない、おいしいコーヒー豆だということもあるんだけど)

安いもの安いもの。中国などから輸入された品々がそれを強力にプッシュする。どんどん安くなり、僕らはそれに殺到する。

そして、それにあわせて、あらゆるつながりがどんどん薄くなっていく。

僕らはフリーになっていく。

それって不幸なことじゃないですか?

2012年02月23日

ネットショッピング最大の不満。

ネットショッピング最大の不満。それは、生身の人間とやりとりしている感じがしないこと。すごく機械的に取り扱われていること。

商品をカートに入れて、支払いと配送の手続きをして、はいおしまい。じきに商品は届く。それはそれでいいんだけど、ときどき、なんかで問い合わせしたりすると、その対応が「…」な感じなんだ。

たしか北のほうの古本屋だったかな、配送をデフォルトから変更したい旨を伝えたんだけど、なんか適当にあしらわれちゃったというか。そこはどうもDVDとか毎日大量に発送してるみたいで、薄利多売、数で稼いでるようなんだけど、だからいちいち問い合わせとか、めんどい感じらしかった。

効率優先。まあ、こっちも安いもの探して発注してるんだから、お互い様だけど。

そんなわけで、ネットショップ特有の「安いものを大量に売って稼ぐ」には、客の顔なんか見えない。見ようともしない。ロボットとロボットのやりとりみたいな。それより、メールでいいからやりとりしたいんだよなあ。ちょっとぐらい手間でも。

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