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2014年05月 アーカイブ

2014年05月02日

婦人用ハットの危険性

おそらく全国的な傾向だと思うが、一定の年齢以上のご婦人(60代以上とかだろうか)が外出時によく被っている、つば広のハット。綿素材とかの。

「真夏の紫外線対策もバッチリ」[ link ]
…とかの理由で好まれているのだろうけど、僕が見た限り、外で見かけるご婦人の大半が、こうしたハットを被っているように思う。

で、このハットを被った状態で自転車に乗ってる人が非常に多いのだが、一見してわかる通り、これ、視界が非常に制限される。前方の視界は辛うじて確保されているのだろうが、横なんか、ほとんど見えてないと思う。

で、その状態で自転車を漕いでいる。まあ、まっすぐ直進してるだけならいいのかもしれないが、たとえば、道路の左端を走ってて、前方に駐車車両なんかがあって、それをパスするとき、ろくに(もしくは全く)横の確認をしないまま右にふくらんで駐車車両をパスしようとする。

あぶないったらありゃしない。

元々、高齢者は周囲の確認をしない傾向があるのに、それに加えて、このハットを被ってしまったら、周囲が全く見えない状態で走っていることになる。

もちろん、こちらも、そしておそらく多くのドライバーらも、高齢者の好き勝手に危なっかしい自転車運転はよくわかっているので、そういう局面では習慣的に気をつける。

当人たちにとっては、おそらく、周囲が見えないほうが、気にするノイズが少ないので、安心して走れるのではないかと思うが、その安心はあくまでも周囲の人々の気遣いによって成立する安心であって、一歩間違えれば事故のもとである。

「帽子で視界を遮らないようにしましょう」
とか何とか、国民生活センターかどこか、注意喚起をしていただけないものか。

2014年05月06日

ビギナー老人たち

庭に小さな畑で、野菜をちょこちょこと作っている。
毎年、この連休中に苗を植えたりするので、いつものようにホームセンターに行ったら、案の定の大賑わい。
小さな子ども連れの若い家族もいるが、メインは年配客。たいてい夫婦で買いに来ている。

ある程度の年齢の方なら畑作業もベテラン、と思ってしまいがちだがさにあらず。多分だけど、ビギナーが案外と多い。苗につけられた説明書きとかを熱心に読み比べて回ってたりする。ベテランなら周知事項だから読まないと思う。

そもそも苗のラインナップ自体がビギナーへの訴求効果を狙っている。どの作物もだいたいそうだと思うけど、家庭菜園で確実な収穫が期待できるのはごく平凡な品種。謳い文句につられて珍しいものを買っても、あとでがっかりすることが多い。…というのはひととおり経験してみればわかるので、ベテランには謳い文句はあまり通用しない。苗売り場にずらっと陳列された、これでもか的な苗のラインナップはだから、経験値の浅い人向けということになる。

あるいは、家庭菜園についての知識は今ではネットでいろいろと手に入るが、素人の書いてることはどうも怪しい内容が目につく。一見説得力があるように思えても、自身の少ない経験に基づくものだったり(←ブログなどは「初めての○○づくり!」が多いし)、思い込みや受け売りも多い。過度のウンチクとか。
要するに、ビギナーに次ぐビギナー、世の中ビギナーだらけなのだ。

つまり、いまの高齢者は、僕らがなんとなく思い込んでいるほどの経験値を持っていない。そして、これはおそらく、家庭菜園に限った話では、ないはずなのだ。

団塊の世代以降はいわば歴史と伝統から切り離され、戦後日本を生きてきた。働く男は企業社会でずっと暮らしてきた。それぞれが所属した企業社会の風土において、その経験値は有用なものであったかもしれないが、それは一般社会で有用ではないし、他の企業社会でも役に立たない。おまけに賞味期限切れだったりもする。
つまり、彼らが長い人生をかけて培ってきた経験値の大半は汎用性がない。

一方、インターネット社会においても彼らはビギナーである。どんどん新しいツール、新しい考え方が出てきて、若い世代は最初からそれを前提にしてくるけれども、高齢者世代にとっては、ただ目まぐるしく新しいものが流れてやってくるだけで、ついていければいいほうだ。

というわけで、いま、過去を振り返ってもビギナー、前を向いてもビギナーという、蓄積した経験値というものがおよそ何も役に立たない、「ビギナー老人」が大量発生している、ということがいえるのではないかと思う。

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