メディアは不幸を運んでくる。
メディア、とりわけテレビや新聞、ネットのニュースが運んでくるのは、世界のどこかの戦争や紛争、事件事故、その大半が、自分とは縁もゆかりもない人物の、不幸な話だ。僕らは誰かの不幸に、常にさらされ続け、精神の不安定を余儀なくされている。
この世界のどこかで誰かが辛い思い、苦しい思いをしていることを、見て見ぬふりをしていいのか。誰かがそう言う。
だが一方、多くのメディアは無償のボランティアで制作されているわけではない。
誰かが不幸になる。それをネタに誰かが収入を得る。それに接し、不幸をシェアした僕らも、日々のなんてことない、こじんまりとした平凡な暮らしを侵食される。
メディアは、それでいいのか。